5領域・10の姿と総合保育絵本
5領域・10の姿と
総合保育絵本
総合保育絵本は、日本の乳幼児教育の指針である、幼稚園教育要領、保育所保育指針、
認定こども園教育保育要領に基づいて作られた、保育教材です。
総合保育絵本は、日本の乳幼児教育の指針である、幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育保育要領に基づいて作られた、保育教材です。
5領域との関連
総合保育絵本の題材やテーマは、いずれも5領域(乳幼児期における教育保育のねらいや内容を具体的に設定するための、各要領・指針に定められた5つの領域)に紐づいています。絵本の楽しさを味わうなかで、それぞれの分野がバランスよく育まれるように構成されています。
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)との関連
3本の「資質・能力」を幼児期から小・中・高と連続して育もうとする流れの中、小学校へとなだらかな接続をするため、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)が示されました。
総合保育絵本を集団生活のなかで、保育者や友だちとコミュニケーションをとりながら読むことにより、幼児期に大切にしたいこれらの姿が総合的に育ちます。
1. 健康な心と体
「食育」ページでは、食事が健康につながること、「生活」ページでは、安全な生活習慣を学ぶことにより、健康な心と体を育みます。
2. 自立心
「やってみたい」というやる気や「できた」の充実感を絵本を通して体験し、自立心を育てます。
3. 協同性
「生活」や「お話」ページでは、友だちの気持ちに気づき、協力することの大切さや楽しさを伝えます。
4. 道徳性・規範意識の
芽生え
4. 道徳性・規範意識の芽生え
「生活」ページでは、集団生活のルールを知り、友だちとの関わりや気持ちの折り合いの付け方を考えます。
5. 社会生活との関わり
身近な仕事や日本の伝統行事、外国文化などを取り上げ、社会のしくみや人との関わりを意識できます。
6. 思考力の芽生え
それぞれのページで、友だちといっしょに考え、試行錯誤することによって、思考力を深めます。
7. 自然との関わり・
生命尊重
7. 自然との関わり・生命尊重
「自然」ページでは、季節の自然や生き物が登場。「食育」ページでは、生きているものをいただく尊さを考えます。
8. 数量や図形、
標識や文字などへの
関心・感覚
8. 数量や図形、
標識や文字などへの関心・感覚
絵本の楽しさを通して、無理なく数量や図形に親しみ、文字などに興味・関心をもてるようになります。
9. 言葉による伝え合い
絵本を通じて言葉に対する感覚を豊かにし、語彙力を高めることにより、自分の言葉で表現する力を養います。
10. 豊かな感性と表現
「お話」ページでは豊かな感性を育み、「シール」ページでは、表現する楽しさを味わいます。
非認知能力と総合保育絵本
「非認知能力」とは、文字の読み書き・計算など認知できる、数値で測れる「認知能力」とは異なり、目に見えない・数値化しにくい能力で心や社会性や自己決定に関わる力のことです。「非認知能力」は「認知能力」を伸ばす上でも大切だと考えられています。要領・指針に示された3本の「育みたい資質・能力」の「学びに向かう力、人間性等」は、特にこの「非認知能力」に関わるものとされています。総合保育絵本は「非認知能力」を育むためにもとても有効です。
何かに夢中で取り組む力
何かに夢中で取り組む力
例えば「観察」のページでは、子どもたちが「わーっ!」と驚くような動物や昆虫の写真やその不思議な生態などが紹介されます。「ほかの動物はどうだろう?」「園庭で探して見てみよう」など、子どもたちの好奇心をくすぐり、自分から「やってみよう!」という気持ちの芽生えを大切にします。
感情をコントロールする力
感情をコントロールする力
総合保育絵本では「くり返しやってみる」ことが大切にされています。例えば「シール」のページでは一度貼った後に、また貼り直して遊ぶことができます。仕掛けや迷路遊びのようなパズルページも、失敗しても「もう一度挑戦してみよう!」という気持ちを後押しし、子どもたちの「できたよ!」という達成感や自尊心を育てます。
コミュニケーション力
コミュニケーション力
「お話」や「生活」のページでは、子どもたちそれぞれ、様々な思いや考えが出てきます。自分の考えを表したり、友だちや先生の感想や意見を聞いたりする中で、「自分とは違うけれど、○○ちゃんは、そう思っているんだな」という気づきが生まれます。絵本を通して、相手への思いやりが育ちます。