月刊保育絵本のはじまり

1927年(昭和2年)

キンダーブック創刊 フレーベル館

幼稚園令に「観察」の新保育項目が加えられたのを機に昭和2年「観察絵本」として倉橋惣三らの賛助を得て刊行された。この時幼稚園への直接販売という、全国的な流通形態を開拓したことで全国的に普及していった。

昭和48年(1973)の『キンダーおはなしえほん』10月号で「あんぱんまん」が初めて掲載された。昭和50年ごろになると幼稚園や保育園で子どもたちのヒーローになっていった。

1937年(昭和12年)

コドモノヒカリ創刊 チャイルド本社

『チャイルドブック』の前身として創刊されたのが『コドモノヒカリ』。楽しい絵本であることと同時に〈子どもの生活力を高め豊かにする絵本〉を目指して作られた。戦中戦後を経て昭和24年に「チャイルドブック」と改題。

昭和26年から童謡「ぞうさん」などの作詞で有名な、まど・みちおさんが10年間編集を担当。また昭和35年に本文に掲載された「いぬのおまわりさん」が童謡として広まるなど、幼児文化に大きく影響している。

1946年(昭和21年)

ヒカリノクニ創刊 ひかりのくに

敗戦直後、社会は混沌として、生活が窮乏し、人々が生きることに大きな不安を感じている中で、日本の未来を担う子どもたちに、何はさておいても本を与えたい、夢と光を与えたいと『ヒカリノクニ』を創刊。

昭和27年(1952年)、本物の保育実践を目指した保育専門誌として、保育指導案を中心に構成した、月刊「保育カリキュラム」を創刊。保育界では初めての月刊の実践書として注目された。

1952年(昭和27年)

よいこのくに創刊 Gakken

学研は終戦から6年半後、混乱が落ち着いてきた中で『よいこのくに』を創刊した。すべてのこどもの幸福のため、という児童憲章が想定された翌年のこと。表紙は絵画家として活躍していた藤田さくらさん。布ばりの切り絵でその月の風物や子どもの姿などをいきいきと表現し続けた。

編集を任されたのはまだ若手の女性。今でこそ女性編集者はメジャーだが、当時はまだまだ珍しい存在。新たな目線で、作家さんや企画をどんどん出していった。

1968年(昭和43年)

ワンダーブック創刊 世界文化ワンダーグループ

豊かな暮らしを届ける雑誌『家庭画報』の世界文化社が、子どものころから上質なものに触れてほしいと創刊した『ワンダーブック』。幼少年教育研究所と共に開発し、幼児期に適した教育的意図と芸術味豊かな内容を兼ね備えた美しい絵本として、出版された。

ハイクオリティのビジュアル雑誌を創る出版社として、写真の質を徹底して追求し、その際立った美しさには定評がある。また柿本幸造さん、いもとようこさんら超一流作家による美しく温かいお話は、幼少期の子どもたちに良質の刺激を与え、豊かな感性を育んでいった。

教育保育歴史

1926年
「幼稚園令」公布「遊戯,唱歌,観察,談話,手技」

1937年
母子保護法
1941年
「国民学校令」公布「幼稚園令改定」
1943年
戦時託児所使用条例

1946年
「幼稚園令」一部改正
1947年
「教育基本法」「学校教育法」公布
1947年
幼稚園が学校教育機関として発足
1948年
「保育要領−幼児保育の手引き−」発行
1948年
「児童福祉法施行令」公布
1948年
日本保育学会発足
1950年
「保育所運営要領」制定

1952年
「保育指針」刊行
1953年
「学校教育法施行規則」改正
1956年
「幼稚園教育要領」刊行
1964年
「幼稚園教育要領」改訂告示
1965年
「保育所保育指針」刊行
1966年
保育所緊急5ヶ年計画策定

1968年
幼稚園教育指導書「一般編」刊行
「領域編 社会」刊行
1969年
幼稚園教育指導書「領域編 健康」
「領域編 絵画製作」刊行
1970年
幼稚園教育指導書「領域編 自然」
「領域編 言語」刊行
1971年
幼稚園教育指導書「領域編 音楽リズム」刊行