3. 幼保協分科会紹介

総合保育絵本普及分科会

 総合保育絵本とは、毎月、幼稚園・保育園・認定こども園を通して子どもたちに届けられる絵本で、1927年(昭和2年)から100年近い歴史があり、保育の中で定着している日本の保育を支えてきた独自の文化です。季節の自然や行事にまつわる話題、園生活の約束事やお話など、子どもたちに身につけてもらいたいこと、知ってもらいたいことなどをいろいろなコーナーを通して伝えています。月刊であるため、発達段階(年齢、月齢)に沿った内容となっております。これは市販の絵本にはない大きな特長です。

 この分科会は、そんな総合保育絵本が幼児期の子どもたちの健やかな育ちのために必要不可欠であることを、園はもとより各方面へ周知するとともに、それを使用する保育者の質の向上に寄与することを活動目標としています。

 子どもたちがさまざまなものに興味を持つきっかけとなり、小学校への接続にも大いに役に立つ絵本なのですが、予想を超えたスピードで進む少子化や、経済的な観点で園が保護者から絵本費用を徴収しにくくなったことで園自体が使用をやめてしまうということもあり、総合保育絵本の園での使用数は年々減少しています。そんな状況の中、分科会としては、環境や家庭状況による教育格差をなくすためにも、総合保育絵本への公的助成のお願いをしていくことを前提として、より多くの園、子どもたちの手に届くようにするにはどのような事ができるのかを考え、活動しています。現在までの主な活動内容は以下のようなことです。

① 総合保育絵本使用園へのアンケートの実施。
(アンケート結果はこちら

② 園でどのように使われ、どのような子どもの反応があるかその事例を集めるための「月刊保育絵本エピソード大賞」の実施。
(月刊保育絵本エピソード大賞結果発表はこちら

 以上の活動で得られた情報は、総合保育絵本の必要性を示すためのエビデンスとして、有効活用していきたいと思います。

 総合保育絵本は子どもたちにはもちろん、大人が読んでも面白く、ためになるように作られています。詳しくはこちらをご参照ください。きっとその魅力をわかっていただけることでしょう。