1. 幼保協正会員企業紹介

㈱エム・ケイ
代表取締役 日暮 博明

 私ども株式会社エム・ケイは創業以来、未来を担う子どもたちを食中毒菌や感染症から守るため、感染予防の分野から二次汚染防止をスローガンに商品開発、製造をしております。

 食中毒、感染症を引き起こす病原菌やウイルスを、人体に侵入する前に阻止するため、当社では、より科学的根拠に基づいた安全...

 私ども株式会社エム・ケイは創業以来、未来を担う子どもたちを食中毒菌や感染症から守るため、感染予防の分野から二次汚染防止をスローガンに商品開発、製造をしております。

 食中毒、感染症を引き起こす病原菌やウイルスを、人体に侵入する前に阻止するため、当社では、より科学的根拠に基づいた安全かつ殺菌効果の高い方法を追及しております。

 近年猛威を振るっております各種ウイルスにも効果がありますので、携わるすべての人が安全・簡単・便利にご利用いただき、より多くの皆様にご使用いただけるよう精進してまいります。

 よろしければぜひ弊社HPもご覧ください。

感染症・食中毒予防製品 玩具の殺菌「クリアトイ」
感染症・食中毒予防製品 玩具の殺菌「クリアトイ」

2. 目が離せる環境のデザイン:注意と緊張による保育からの脱却

西田 佳史理事
{東京工業大学教授(博士)}

*プロフィールはこちら

「あっという間」は0.5秒: 難しい子どもの「見守り」

 子どもの事故の対策というと、真っ先に思いつくのが見守りである。しかし、見守りだけでは傷害を予防できない。一例をあげる。図1は、産業技術総合研究所で行った子ども(11~50カ月)の転倒時間の分析の結果である。この図から、子ども

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「あっという間」は0.5秒: 難しい子どもの「見守り」

 子どもの事故の対策というと、真っ先に思いつくのが見守りである。しかし、見守りだけでは傷害を予防できない。一例をあげる。図1は、産業技術総合研究所で行った子ども(11~50カ月)の転倒時間の分析の結果である。この図から、子どもが平地で転倒するとき、倒れ始めてから倒れるまでの時間は0.5秒程度が最も多いことが分かる。人が反応できる時間は、0.2秒の時間がかかるので、子どもを転倒から守るためには、倒れつつある子どものところへ0.3秒以内に移動しなければならないことになる。これは、たとえ目の前で見守っていても、子どもの傷害予防がとても難しいことを意味する。注意や緊張感だけで事故予防するのは、「無理」がある。

図1:転倒時間の分析結果(11~50カ月 合計104回の転倒)
図1:転倒時間の分析結果(11~50カ月 合計104回の転倒)

事故予防への科学的アプローチ

 それでは、どのようにすればよいか? 傷害予防には、1)製品・環境デザイン(Engineering)、2)教育(Education)、3)安全基準・法規制(Enforcement)の3つのEが大切だとされている。WHOでは、この中でも、1)の注意や緊張感に頼らない方法(パッシブ戦略)が重要であると指摘している。製品や環境のデザインで解決できるものは、まず、それを実施する。その上で、残った危険に関して、教育や運用のルールを作って、対応していくことが原則である。例えば、今の時期に起こりうる事故としてブドウによる窒息事故を例にとると、ブドウを4つ切りにしておくことが製品・環境改善の例である。そして、お弁当などでブドウを入れる場合には、4つ切りにするように保護者にお知らせをするなどが教育の例である。また、ブドウの4つ切りを園の給食で出すときのルールにしておくことが安全基準の例である。ブドウを分割しないで子どもに与え、その子どもがよく噛まずに飲み込まないように注意することがとても難しく、予防につながらない。

環境改善は、子どもの失敗・チャレンジを許容する方法

 最後に、環境改善アプローチに関して多い誤解に、「事故予防のために環境改善をすると子どもの行動を制約することにつながり、子どもの危険回避能力が育まれないのではないか」というものがある。私は、実際は、むしろその逆で、対策をしていない無防備な環境で事故を防ぐには子どもの行動を制限するしかない。そのような中では、危険回避能力は育まれない。環境の中から、変えられるものを見つけ、それを変えていく、これを繰り返すことが、子どもたちの成長に欠かせない失敗やチャレンジを許容し、子どもたちを健康に元気にすると同時に、保護者や先生を守ることにも繋がると考えている。注意や緊張感に頼る予防ではなく、環境改善をすることで、目を離せる環境をデザインすることが大切であろう。


次回の幼保協メルマガは12月6日発行予定です。