1. 幼保協正会員企業紹介

㈱ブンチョウ
代表取締役 𠮷田 浩司

弊社は1927年に創業し、戦後は暁文具製作所として再出発、現在は株式会社ブンチョウとして、埼玉県久喜市の工場にてクレヨン、絵の具などの保育画材、オイルパステル、固型えのぐ等の専門家用画材の製造販売を行っております。

弊社画材の品質や安全性はありがたくも国内外の多くのユーザー様に高い...

弊社は1927年に創業し、戦後は暁文具製作所として再出発、現在は株式会社ブンチョウとして、埼玉県久喜市の工場にてクレヨン、絵の具などの保育画材、オイルパステル、固型えのぐ等の専門家用画材の製造販売を行っております。

弊社画材の品質や安全性はありがたくも国内外の多くのユーザー様に高い評価を頂いており、特に固型描画材においては、複数の製品で弊社が開発した固型スティックタイプの製品を採用頂いております。

また、描画材に限らず、企業様向けに特殊な環境下において使用する固型マーカー製品の開発、製造等も行っております。


子供達に安心して描画を楽しんで貰うために
弊社は、幼児教育の現場向けにAPマーク(ACMI:アメリカ画材・工芸材料協会)の認証を受けた安全性の高い描画材をご提供しております。

絵を描く事は子供たちの色に対する感性を高めると共に、視覚の発育を促し、表現力を豊かにします。思い切りのびやかに描かれる線と線、自由気ままに散りばめられる点と点、そしてカラフルな色彩。まさに子供達がアーティストになるひとときです。

私どもは子供達が安心して使用できる画材を提供することを使命とし、今後も品質と安全性の向上に努めると共に、文化生活の進展に寄与し、社会に貢献して参ります。


製品紹介
ベビーコロール(幼児用クレヨン)
通常のクレヨンを鉛筆持ちで使用する前の段階の幼児向けに開発された、握りやすさと安全性を追求したクレヨンです。クレヨンを直接握っても手が汚れませんが、紙に描くと色がつきます。水洗いやアルコール消毒も出来る為、衛生的にご使用頂けます。
ベビーコロール(幼児用クレヨン)

弊社HPはこちらをご覧ください。
http://buncho.co.jp

2. 子どものよじ登りによる家具の転倒を防止する ―子どもはよじ登り時、最大で体重の半分の力で家具を引っ張る―

西田 佳史理事
東京工業大学教授(博士)

*プロフィールはこちら

東京都では、2023年度から、事故データや生活の場に踏み込んだ現象データを活用し、科学的な根拠に基づいて、行政、実務者、アカデミアが連携することで、傷害予防の地域実装を進めるプロジェクトが開始されました。その中で、子どもがよじ登ることで生じる家具の転倒事故の予防に関する調査が行われましたので、今回は...

東京都では、2023年度から、事故データや生活の場に踏み込んだ現象データを活用し、科学的な根拠に基づいて、行政、実務者、アカデミアが連携することで、傷害予防の地域実装を進めるプロジェクトが開始されました。その中で、子どもがよじ登ることで生じる家具の転倒事故の予防に関する調査が行われましたので、今回は、その最新のデータを紹介したいと思います。

27 軒の事故現場(住宅)を訪問し、調査した結果、幼児自身が転落する事例のほかに、よじ登っている最中に家具が転落する事故が起こりうることがわかってきました。

よじ登りの際に、家具にかかる力の計測
図1:よじ登りの際に、家具にかかる力の計測

米国の消費者製品安全委員会の報告書(参考資料1)によれば、2018 年から 2020 年の 34年間で、22,500 件の家具転倒による事故で救急搬送されており、子どもに限ると、TV や TV が置かれた家具の転倒により、2 日に 1 人の子どもの死亡が起こっています。乳幼児のよじ登りの結果起こる、家具の転倒による対策も急務となっています。

そこで、今回、子どもが家具をよじ登る際に、家具側にどれくらいの力がかかるのかがわかっていないため、それを調べる実験を行いました。幼児37名(月齢13~45か月、平均31か月)を対象に、作製した台によじ登る際の垂直・水平方向の力を計測しました。その結果、よじ登る際、水平方向には最大で体重の0.45倍相当の力が加わっていました。この結果より体重の約半分の力が水平に作用した場合の家具の転倒可能性を確認することで、幼児のよじ登りによる転倒可能性の評価が可能であることわかりました。

固定されていない家具の上部の端を水平方向に引っ張ることによって傾き始める力を計測すると、例えば、高さ145cmの棚では7.9kgfで傾き始めることが確認されました。体重が17kg程度の子供の場合(平均的な5歳児に相当)、水平方向に加わる力を体重の0.5倍相当の力とすると、8.5kgfになりますので、転倒の可能性がある物体であることが分かります。このような家具の場合は、壁に固定するなど家具の転倒の対策が、地震のみならず、幼児のよじ登りによる重症事故を予防する対策に繋がります。家具を引っ張るセンサはないのですが、「旅行はかり」などの名称で、1000円程度で、簡単に力を測れるセンサが売られています。そのような器具で、身の回りの家具の固定を調べてみることをお薦めします。

より詳しい資料は、参考資料の2をご覧ください。

参考資料
1. U.S. Consumer Product Safety Commission, "Product Instability or Tip-Over Injuries and Fatalities Associated with Televisions, Furniture, and Appliances: 2021 Report," 2022

2.東京都, “科学で探るこどもの事故予防策―転落―”
https://kodomosafetypj.metro.tokyo.lg.jp/_manage/wp-content/uploads/report_pocket_book.pdf (参照2024-03-21)


次回の幼保協メルマガは4月24日発行予定です。