1. 幼保協正会員企業紹介

㈱タイセイ
代表取締役社長 原田 忠幸

 弊社は、昭和17年に現在の神戸の地に設立し、ゴムの製造からスタートしました。

 「常に新商品の開発と品質の向上」をモットーに不断の努力を積み重ね、営業の拡大を計って参りました。現在では、建築用フローリング・防音材・危険防止保護材・体育用フロアマット・保育知育用品・工業用目地材等を...

 弊社は、昭和17年に現在の神戸の地に設立し、ゴムの製造からスタートしました。

 「常に新商品の開発と品質の向上」をモットーに不断の努力を積み重ね、営業の拡大を計って参りました。現在では、建築用フローリング・防音材・危険防止保護材・体育用フロアマット・保育知育用品・工業用目地材等を、多岐にわたり製造販売しています。企業内容、体質とも一新され、スポンジフォーム業界に於いて確固たる地位を築くに至り、高い評価をいただいています。来るべき新時代に備えてこれまでの豊富なノウハウと経験を維持し、より徹底した品質追求で安全性・耐久性・経済性といった一層の研鑚努力を惜しまぬつもりです。

暮らしを楽しく安全に
 製造物責任、環境負荷の問題、環境ホルモンに代表される安全性の問題、そして高齢化社会への対応など、企業になげかけられる課題は数知れない中、弊社では一切の環境ホルモンを含まない無公害素材としてのEVA(エチレン ビニィル アセテート)の開発と商品化に大いなる期待を掛けています。時代の要請として環境と安全への配慮は企業としての大前提であり、兵庫県立工業技術センター、国立滋賀大学などの機関と連携をとりながら防炎素材や低燃焼カロリー素材の開発、衝撃吸収素材や吸音材の開発に力を入れ、子供たちの暮らしを楽しく安全に過ごせる手助けを心がけています。

夢を形に・・・
 フォームは弊社のコア事業であるスポンジ・発泡体という泡の形を意味しています。泡は様々な形に変化しアイデア次第で思い描いたイメージを形に変えていくことが可能です。 コア事業のスポンジ・フォームを様々なアイデア商品に有形化していくことで「夢を形にしていく」を表し、スポンジ素材の技術・開発力を活かすことで子供たちの未来に有意義に役立てる商品開発に取り組んでいきたいと考えております。

 今後とも何卒宜しくお引き立て下さいますようお願い申し上げます。

代表取締役社長 原田忠幸

*弊社ホームページはこちらをご覧ください。

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2. なぜ、対策しないのか? ~予防を知らない、できない、やる必要ない〜

西田 佳史理事
{東京工業大学教授(博士)}

*プロフィールはこちら

 今回は、転落を取り上げてみたいと思います。ベランダ・窓からの転落に対する予防策は、これまでにも周知されていますが、なぜ、事故は起こり続けるのでしょうか? それは、予防策がさまざまな理由で実際には、行われていないからです。実は、対策を知らなかったというのは少数で、大半は、やらない理由があるためです。...

 今回は、転落を取り上げてみたいと思います。ベランダ・窓からの転落に対する予防策は、これまでにも周知されていますが、なぜ、事故は起こり続けるのでしょうか? それは、予防策がさまざまな理由で実際には、行われていないからです。実は、対策を知らなかったというのは少数で、大半は、やらない理由があるためです。これに関して、最近、産業技術総合研究所で、6か月から未就学児の子どもを持つ保護者 600名を対象に実施した研究(*) があります。

 それによると、補助錠や窓ストッパーを設置している人は、全体の33%であり、67%が設置していません。また、設置している33%のうちの1/5程度の22%が、設置はしていても解除された状態にしていることが分かってきました。

 設置しない理由を尋ねたところ、以下の理由が挙がりました。

  • ベランダには1人で出さないようにしているから大丈夫
  • 設置するのが面倒、設置しても閉めるのを忘れそうだから設置しない
  • どれを買ってよいか分からない
  • 自分のベランダは大丈夫
  • きちんと子どもに指導している

 歩行が始まり、認知力がましてくると、ベランダには、子どもが一人で出る能力が付きます。過去、ほとんど出たことがないのに、室内でやっている遊びが派生し、ベランダで遊んだため、転落し死亡した例も報告されており、発達段階にある子どもを予測することは危険です。指導も100%ではありません。指導どおり行動することもあれば、しないこともあるというのがほとんどの子どもではないでしょうか。

 設置するのが面倒、どれを買ってよいか分からないに関しては、サッシ用補助錠、サッシ窓用補助錠、ウインドロック、窓ロック、ドアロックガード、防犯錠、サッシロックなどのキーワードをもとに検索することで、ネットで簡単に見つけることができます。設置や施錠が簡単なものが販売されています。

 最後にポイントを3つまとめてみましょう。

  • 予防対策には、効果が高いものと低いものがあり、下記の考え方のうち、環境改善によるレベル1もしくはレベル2を採用する。
    ■レベル1:保育士・保護者の注意や努力がまったく不要であり、目を離しても、ポカミスをしても傷害が発生しない予防策。
    ■レベル2:保育士・保護者の多少の労力を必要とするが、抑止効果が高い対策。
    ■レベル3:子どもへの注意・教育、ポスターなどほぼ予防効果がないもしくは不安定な対策。
  • ベランダに至るドア、転落の可能性のある窓には補助錠を取り付ける。次善策として、足がかりとなる室外機、植木鉢などは柵から60cm以上離して設置するように置く。ベランダの柵に隙間がある場合は、そこをすり抜けて転落する危険があるがため、11cm以下。窓の場合は、乳児も対象となるため、10cm以下しか開かないようにする。
  • よくあるやらない理由に陥らないようにする。いつも子どもと一緒だからやらない。施設・家が傷つくからやらない。設置するのが面倒だからやらない。自分がいる家・施設のベランダは安全だから大丈夫など。

* Mikiko Oono, Yoshifumi Nishida, Koji Kitamura, Tatsuhiro Yamanaka, "Understanding parental perceptions of content-specific barriers to preventing unintentional injuries in the home," Children, 2023


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