1. 会長ご挨拶

大橋 潤 会長
㈱チャイルド本社 代表取締役社長

 2020年に設立された「一般社団法人 幼児教育保育用品協会(略称:幼保協)」は、事業活動を通じて日本の幼児教育・保育の振興に貢献したいとの志のもとに、全国の保育所・幼稚園・認定こども園向けに幼児教育保育用品を企画制作・販売している事業者が集まっています。

 その活動は、月刊保育絵...

 2020年に設立された「一般社団法人 幼児教育保育用品協会(略称:幼保協)」は、事業活動を通じて日本の幼児教育・保育の振興に貢献したいとの志のもとに、全国の保育所・幼稚園・認定こども園向けに幼児教育保育用品を企画制作・販売している事業者が集まっています。

 その活動は、月刊保育絵本普及、乳幼児遊具安全規準策定、幼児教育保育用品整備リスト策定等を目的とした各分科会での活動を中心に行われ、有識者理事の指導のもと、会員各社の実務メンバーで活発な討議をすすめています。いずれもそれぞれの事業者だけでは取り組むことのできなかった課題であり、その成果物を園現場、関係省庁・自治体、同業事業者のみなさまにお届けすることこそが、当協会の存在価値のひとつであると認識しています。今後も園現場の先生方や子どもたちのために積極的に活動を広げ取り組んでまいります。

 どうか今後の幼保協の活動にご期待いただくとともに、皆様からのご支援ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 このたびメールマガジンを開始し、当協会の活動内容や業界の情報などをお届けしていきます。ご興味のある記事があれば幸いです。

2. メールマガジン発刊にあたって-私たちの進むべき道

岡本 功 理事
ひかりのくに㈱ 代表取締役社長

 私たち、幼児教育保育用品協会は2020年の4月に設立されました。それから3年あまり、会長が交代するばかりで外部に発信できる成果は乏しく、端的に言って中弛みの状態にあるのではないかと思われても仕方ない状態にあります。

 平成19年(2007年)の改正により、幼稚園は小学校や中学校、高...

 私たち、幼児教育保育用品協会は2020年の4月に設立されました。それから3年あまり、会長が交代するばかりで外部に発信できる成果は乏しく、端的に言って中弛みの状態にあるのではないかと思われても仕方ない状態にあります。

 平成19年(2007年)の改正により、幼稚園は小学校や中学校、高等学校と並んで学校教育法の1条校として最初に規定されました。しかしながら、小中では学校として備えるべき用品が示されている一方で、幼稚園には標準的に用意すべき物品は定められていません。また、現在、幼稚園、保育所、そして認定こども園に設置されている遊具等は公園遊具の基準に基づいて作られるものが多く、対象とする年齢層がそもそも異なっているとともに、6歳以下の幼児に対して不必要に過大な安全領域を求めているなど、実際の幼保の現場に即していないという問題点もあります。まして乳児施設における遊具における乖離は顕著です。私たち幼保協はそのような問題点に対し、幼保にまつわる事業を長く続けてきたパイオニアとしての経験と責任を社会に還元したい、こどもたちにとってより良い書籍、遊具、備品を提案したい、お届けしたいという理想の下に設立されました。

 幼保協には上記の問題点に加えて絵本普及と、併せて三つの分科会を設置し、これまで述べてきた問題点の解決に向けて努力しています。そしてそろそろそれを外部に向けて公表すべき時期に差し掛かっています。私たちの掲げる乳幼児のために最適な環境を少しでも啓発していくために、多くの会員を増やしていくべき時期に差し掛かっています。これまでは物づくりの企業様中心に参加していただいていましたが、幼保協の活動が全国広く届いてくれるためには、地域において販売活動に従事してくださる営業メンバー、そして販売代理店の皆様の理解と協力が欠かせません。そしてその広報伝達が幼保協に欠けていたことを反省しつつ、新たにお届けするのがこのメールマガジンです。

 幼保協の会員企業はそれぞれがこれまでも商売敵であり、そしてこれからも商売敵です。そこは変わることがありません。しかしながら、こどもたちが育つ環境を良くしていきたいという気持ちでは、各会員企業とも全く同じ気持ちであることは言うまでもありません。私たち幼保協はこの理想の実現に向けて、手を携えて共に取り組む共同体であると改めてお知らせいたします。

3. 幼保協分科会紹介

総合保育絵本普及分科会

 総合保育絵本とは、毎月、幼稚園・保育園・認定こども園を通して子どもたちに届けられる絵本で、1927年(昭和2年)から100年近い歴史があり、保育の中で定着している日本の保育を支えてきた独自の文化です。季節の自然や行事にまつわる話題、園生活の約束事やお話など、子どもたちに身につけてもらいたいこと、知...

 総合保育絵本とは、毎月、幼稚園・保育園・認定こども園を通して子どもたちに届けられる絵本で、1927年(昭和2年)から100年近い歴史があり、保育の中で定着している日本の保育を支えてきた独自の文化です。季節の自然や行事にまつわる話題、園生活の約束事やお話など、子どもたちに身につけてもらいたいこと、知ってもらいたいことなどをいろいろなコーナーを通して伝えています。月刊であるため、発達段階(年齢、月齢)に沿った内容となっております。これは市販の絵本にはない大きな特長です。

 この分科会は、そんな総合保育絵本が幼児期の子どもたちの健やかな育ちのために必要不可欠であることを、園はもとより各方面へ周知するとともに、それを使用する保育者の質の向上に寄与することを活動目標としています。

 子どもたちがさまざまなものに興味を持つきっかけとなり、小学校への接続にも大いに役に立つ絵本なのですが、予想を超えたスピードで進む少子化や、経済的な観点で園が保護者から絵本費用を徴収しにくくなったことで園自体が使用をやめてしまうということもあり、総合保育絵本の園での使用数は年々減少しています。そんな状況の中、分科会としては、環境や家庭状況による教育格差をなくすためにも、総合保育絵本への公的助成のお願いをしていくことを前提として、より多くの園、子どもたちの手に届くようにするにはどのような事ができるのかを考え、活動しています。現在までの主な活動内容は以下のようなことです。

① 総合保育絵本使用園へのアンケートの実施。
(アンケート結果はこちら

② 園でどのように使われ、どのような子どもの反応があるかその事例を集めるための「月刊保育絵本エピソード大賞」の実施。
(月刊保育絵本エピソード大賞結果発表はこちら

 以上の活動で得られた情報は、総合保育絵本の必要性を示すためのエビデンスとして、有効活用していきたいと思います。

 総合保育絵本は子どもたちにはもちろん、大人が読んでも面白く、ためになるように作られています。詳しくはこちらをご参照ください。きっとその魅力をわかっていただけることでしょう。

乳幼児施設遊具安全規準分科会

 平素は乳幼児施設遊具安全規準分科会の活動をご支援いただき、誠にありがとうございます。今回は、当分科会の取り組みや今後の展望についてお知らせいたします。

【活動の目的】
 当分科会は、幼稚園、保育園、こども園等の施設の特性、すなわち管理者(保育者)がいることや年齢が乳児・幼児...

 平素は乳幼児施設遊具安全規準分科会の活動をご支援いただき、誠にありがとうございます。今回は、当分科会の取り組みや今後の展望についてお知らせいたします。

【活動の目的】
 当分科会は、幼稚園、保育園、こども園等の施設の特性、すなわち管理者(保育者)がいることや年齢が乳児・幼児に限定されていることを考慮し、幼稚園、保育園、こども園等の施設での遊具の使用にあたり、適切なガイドラインや規準を策定することを目指して活動しています。さらに、安全・安心な遊具の運用と園庭環境を実現するため、管理者(保育者)に「遊具のリスクとハザード」を理解し、共有してもらうための啓発活動も行ってまいります。

【これまでの取り組み】
 分科会では様々な活動計画を策定し、定期的な会議を実施してきました。これには遊具の安全性に関する情報の共有、関連する研究・調査の実施、遊具の使用に関する啓発冊子の作成など、多岐にわたる活動が含まれています。

【ガイドラインと啓発冊子について】
 ガイドラインの策定と啓発冊子の発刊を予定しています。これらは幼稚園、保育園、こども園等の施設の管理者(保育者)を対象としています。ガイドラインを守り、啓発冊子を通じて、園庭遊具における安全性に関する情報や、管理者(保育者)の見守りの重要性、ポイントなどを伝えることができると考え、現在作成中です。

乳幼児施設遊具安全規準分科会
※啓発冊子イメージ

【今後の展望】
 当分科会では、遊具の安全性に関する情報の更なる共有や、啓発活動の拡大を進めてまいります。また、関連する研究や調査を継続的に行い、その結果をもとに、活動の方向性を見直し、より質の高い活動を展開していく予定です。

 皆様のご理解とご協力を引き続き賜りますようお願い申し上げます。

保育施設整備リスト作成分科会

 保育施設整備リスト作成分科会は、幼保協の総合保育絵本普及分科会、乳幼児施設遊具安全規準分科会に次いで設立された第3の分科会で、令和2年12月に第1回の会議を開催以来、月に1度のペースで会議(コロナ以降はオンライン、またはオンラインと参加型の併用)を開催し、9月までに計34回の会議を重ねています。こ...

 保育施設整備リスト作成分科会は、幼保協の総合保育絵本普及分科会、乳幼児施設遊具安全規準分科会に次いで設立された第3の分科会で、令和2年12月に第1回の会議を開催以来、月に1度のペースで会議(コロナ以降はオンライン、またはオンラインと参加型の併用)を開催し、9月までに計34回の会議を重ねています。この会の目的・ゴールと3年間の活動内容についてご報告いたします。

活動目的・ゴール
 現在、文部科学省より出されております「小学校教材整備指針」 「中学校教材整備指針」に倣い、「幼保協版の保育施設整備リスト」を作成することで、園現場の先生方が、保育の場面に合った備品を選ぶ際や、子どもたちの成長や発達に沿った教材・遊具などを考える際に役立てられることを目的としています。そのため、現在各社によって商品分類や分類の名称がさまざまに存在するものを、使用者の利便性を考え、分類名称を統一させた保育施設整備リストの完成を目指します。
(「保育施設整備リストのイメージ」はこちらをご参照ください)

活動内容
 整備リスト作成の前段階として、各社が発行する保育用品総合カタログの「大分類」と「中分類」を統一するための作業を行い、現在22の「大分類」を決定し、その中身である中分類の内容がほぼ、決まるところまで進んでいます。このカテゴリー分類は、2025年度の各社の総合カタログから反映される予定です。
(「中分類抽出リスト」はこちらをご参照ください)

 今後は、整備リスト分類分けのための軸を決定し、該当する商品群を表にして、整備リストの完成に向けた取り組みを進めてまいります。


次回の幼保協メルマガは10月25日発行予定です。