
幼保協メルマガ Vol.50
1. 幼保協賛助会員企業 商品・サービス等紹介
株式会社池田工業社
当社は、明治35年(1902年)農機具を扱う商売で創業しました。その後日用品の製造販売を行い、昭和10年頃からは「蛍かご(虫かご)」をつくるようになりました。この虫かごが現在の玩具製造販売の原点となります。「虫かごと一緒に虫取り網を」「他にも子供たちが遊べる物を」といったお客様のご要望に応えながら、...
当社は、明治35年(1902年)農機具を扱う商売で創業しました。その後日用品の製造販売を行い、昭和10年頃からは「蛍かご(虫かご)」をつくるようになりました。この虫かごが現在の玩具製造販売の原点となります。「虫かごと一緒に虫取り網を」「他にも子供たちが遊べる物を」といったお客様のご要望に応えながら、現在の水鉄砲やしゃぼん玉などの様々な季節玩具、雑貨や食品等、時代の変化と共に事業を変化させてきました。創業時から『お客様の声に真摯に対応する営業姿勢』を大切にしており、池田工業社のDNAとしてしっかりと受け継がれています。今後も変化を恐れず、お客様の求める商品づくりに挑戦し続けます。
【ロングセラー商品『素肌に優しいしゃぼん液500ml』】
こちらの商品もお客様の声から誕生した商品です。保育現場の先生より「しゃぼん玉あそびをしたところ、一部の肌が敏感なお子様の中に、お肌の刺激を感じる様子が見られました。念のため、成分等にご注意いただければと思います。」とのお声を頂きました。
当該商品は玩具安全基準をクリアしたしゃぼん液でしたが、頂いたお声から『刺激に弱い敏感肌の方でもしゃぼん玉あそびを楽しめるしゃぼん液が必要』と考え、『肌に触れても安全な素材』を目指して、国内の化粧品工場に開発協力を依頼しました。そして出来上がったのが、ヒトパッチテストによる皮膚アレルギー検査をクリアした『素肌にやさしいしゃぼん液』です。おかげさまで完成した商品は、現在多くのお客様にご好評を頂いています。
【協会を通じて実現したい事】
当協会への入会動機は、保育業界の動向、将来的な取り組み、保育現場の先生方からのご意見等、当社の商品開発の源となる『お客様の声(情報)』が数多く収集できる協会であると思い入会を希望致しました。つきましては、協会に寄せられる貴重な情報を共有させて頂き、すべての方々に安心してご利用いただける商品づくりに尽力してまいります。
公式HP:株式会社池田工業社 | おもちゃの商品開発・製造卸・販売で楽しい未来に貢献します。

◆『素肌に優しいしゃぼん液500ml』
2. 『わが国の子どもの死・重症事故を待たないルール始まる(消費生活用製品安全法の改正)』
西田 佳史理事
東京科学大学教授(博士)

今回は、消費生活用製品安全法と呼ばれる一般消費者の安全を守る法律の改正を取り上げたいと思います。子供の安全を考える上で、数十年に一度級のとても大きな変化だと考えています。これまで日本の子供の安全は、系統だった手法ではなく、大きな事故が起こったら、事後的に対応するというのが主流でした。
...
今回は、消費生活用製品安全法と呼ばれる一般消費者の安全を守る法律の改正を取り上げたいと思います。子供の安全を考える上で、数十年に一度級のとても大きな変化だと考えています。これまで日本の子供の安全は、系統だった手法ではなく、大きな事故が起こったら、事後的に対応するというのが主流でした。
たとえば、マグネットセットと呼ばれる強力な磁力を持つ玩具の場合を考えてみましょう。強力な磁石を2個以上飲み込み、腸などの内臓で磁石が固定してしまい正常に排泄されず、外科的な手術でしか取り除けないという重傷事故が起こりました。2015年には、米国消費者製品安全委員会が規制を始めました。ところがわが国では、国内で事故が報告されていなことから、国内の規制はありませんでした。その後、国内でも事故が起こり、2016年には、NHKで報道されたり、2017年には、東京都による注意喚起などが行われたりしましたが、実際に規制になったのは、2024年になってからです。実に10年近くの時間を要したのです。
これに対して、昨年、消費生活用製品安全法が改正になり、子供用特定製品という新たな製品カテゴリが追加されました。これにより、ここに指定された製品は、図1で示すようなPSCマークなしでは、つまり、技術基準の適合証明がなければ、販売できないことになりました。まずは、3歳未満の乳幼児向けの玩具から規制が始まります。2025年12月25日から施行されます。今後も、新たな製品が追加される予定で、現在、乳幼児用ベッドガードやベビーカーなどが検討されています。
これまでは、安全基準を満たしていないものも販売が可能でしたが、今回の改正によって、安全基準を満たしていないものは販売できなくなり、ここにきてやっと、子供の死や重傷事故を待つことなく、わが国の子供が守られる状態になってきました。製品分野は、過去の事故データをもとに選定されるので、系統だった安全の網の目を張り巡らせることが可能になります。

図1:子供用特定製品のPSCマーク
参考文献
政府広報オンライン『乳幼児のおもちゃを選ぶときは必ず確認!知っておきたい「子供PSCマーク」 』(https://www.gov-online.go.jp/article/202508/entry-8739.html)
経済産業省, 製品安全4法改正を踏まえた制度整備(資料3), 2025 (https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/seihin_anzen/pdf/017_03_00.pdf)
次回の幼保協メルマガは11月12日発行予定です。
