
幼保協メルマガVol.54
1.幼保協賛助会員企業 商品・サービス等紹介
オオニシ体育株式会社
弊社の主力商品である【巧技台®】は昭和40年代の発売当初から変わらぬ形で、全国の園様・施設様に長くご愛用いただいているロングセラーです。現在も多くの場面で子どもたちの成長を支える器具として活躍しており、近年は限られたスペースでも導入しやすい小型タイプが特に好評です。
巧技台®の魅力は、天候に...
弊社の主力商品である【巧技台®】は昭和40年代の発売当初から変わらぬ形で、全国の園様・施設様に長くご愛用いただいているロングセラーです。現在も多くの場面で子どもたちの成長を支える器具として活躍しており、近年は限られたスペースでも導入しやすい小型タイプが特に好評です。
巧技台®の魅力は、天候に左右されず一年を通して室内で安心して運動遊びができる点にあります。組み方を少し変えるだけで遊びの幅が広がり、0歳から10歳頃まで発達に応じた多様な動きを引き出すことができます。一方で「出し入れの手間で使用頻度が下がる」という声もあり、弊社では活用アイデアや組み合わせ例の発信を進めております。新しい遊びに気付いていただけるような情報を、皆様とも共有していければと考えております。
また巧技台は高額ではありますが、丁寧にお使いいただければ30年以上活躍している事例も多く、修理対応も行っております。長期的に安心して使用できる点も、皆様に自信を持ってご案内いただける理由の一つです。
さらに現在、狭い保育室でも子どもたちがのびのびと遊べるよう、新商品の開発にも力を入れております。登る・滑る・くぐるという基本の動きをひとつの構成で体験できる室内遊具は、木の温かみを生かしたやさしいデザインで、小さなお子さまの興味を自然に引き出します。現状では原価が高くなってしまうため、材料調達や仕様の見直しを行いながら、少しでもご提案しやすい価格となるよう調整を進めております。
今後は、巧技台®の魅力や活用の広がりを、協会の皆様を通してより多くの園様へ届けていきたいと考えております。皆様のネットワークとともに、子どもたちの運動環境がさらに豊かになるよう取り組んでまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【巧技台®リトルじゃんぐる_フルセット】
2.不注意・誤使用のせいにしない製品改善のための新たな表示制度がスタート
西田 佳史理事
東京科学大学教授(博士)

最近、経済産業省から公表された資料では、2022年の重大製品事故の原因の約3割が製品の不備によるもの、約3割が誤使用・不注意によるものとなっています(1)。この誤使用・不注意の対策として、画期的な表彰・表示制度「+あんしん」が本年度、開始されました(2)。今回は、これを取り上げてみたいと思います。
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最近、経済産業省から公表された資料では、2022年の重大製品事故の原因の約3割が製品の不備によるもの、約3割が誤使用・不注意によるものとなっています(1)。この誤使用・不注意の対策として、画期的な表彰・表示制度「+あんしん」が本年度、開始されました(2)。今回は、これを取り上げてみたいと思います。
これまで、製品による事故が起こると、その原因が特定され、改善が試みられます。その中で難しいのが、「誤使用・不注意」と分類された原因です。たとえば、幼児による電気ケトルのやけどを例にすると、子どもの手が届く範囲に電気ケトルを置いてしまった、届く範囲に置いたつもりはなかったが、つかまり立ち、よじ登りによって電気ケトルに到達してしまった、などの状況で、やけどが生じます。この場合、注意義務を怠った保護者の責任になります。ところが、置き場所が悪いという誤使用や、子どもの行動を見守っていなかったという注意義務違反だけのせいにして、啓発動画、ポスター、アニメや漫画で周知を徹底したとしても、大きく減らすことが難しい現状にありました。
今回、経済産業省で新たに始まった表彰・表示制度「+あんしん」は、誤使用や不注意が原因として扱われてきたリスクに対して、製品側の工夫によってリスク低減策を講じた場合、その対策をきちんと専門家の目で評価し、効果が見込まれるものに対して、図1に示すような「+あんしん」マークを付与して、リスク低減策が施された製品であることを示せる制度です。海外にもない新しい制度です。誤使用や不注意のせいだけにしない方向性を明示している点、そして、企業から提示されたエビデンスを専門家が厳格に評価する点が従来の他の賞などと大きく異なる点です。今年度が第1回目で、受賞製品が11月に公表されました(2)。子供の安全に関わる製品改善も含まれています。手を近づけた際の蒸気によるやけどを防ぐ「蒸気レス電気ケトル」や、IHクッキングヒーターのグリルの窓を子どもが手で触れてもやけどしにくいように「温度低減ドア」へと改良された製品などが選ばれています。ミスをすることを前提とした製品の改善は、人間中心デザインとも呼ばれる方向で、今後、世界に広がっていくことに期待したいと思います。

図1:ロゴマークのイメージ(受賞製品に付されるマーク)
参考文献
(1)第17回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 製品安全小委員会,
資料1 製品安全行政を巡る動向
(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/seihin_anzen/017.html)
(2)経済産業省, 令和7年度「PSアワード」受賞企業及び「+あんしん」受賞製品を
決定, 2025
(https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251127002/20251127002.html)
次回の幼保協メルマガは2026年1月7日発行予定です。
